全行引用による自伝詩 01/田中宏輔2
とを否定する人はほとんどいないのだが、詩を読む人は殆どいないのだ。
(ロバート・リンド『無関心』行方昭夫訳)
美しいものというものはいつも危険なものである。光を運ぶ者はひとりぼっちになる、とマルティは言った。ぼくなら、美を実践する者は遅かれ早かれ破滅する、と言うだろう。
(レイナルド・アレナス『夜になるまえに』刑務所、安藤哲行訳)
育ちや経験の偶然による違いが人格に大きな違いを産むとでも思っているのかね?
(マイクル・スワンウィック『大潮の道』13、小川 隆訳)
肝要なこと、それは偶然性である。定義を下せば、存在とは必然ではないという意味である。存在するとは、ただ単に〈そこ
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