全行引用による自伝詩 01/田中宏輔2
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人間が二度と戻ってこないというのはよいことなのだ
(ブライアン・W・オールディス『銀河は砂粒のごとく』3、中桐雅夫訳)
ぼくは告白を書く。詩を書く。
(R・C・ウィルスン『連環宇宙』第三十二章、茂木 健訳)
書くことに意味などないのなら、いったい何に駆り立てられてぼくは詩作をしているのだろうか。
(ナボコフ『賜物』第1章、沼野充義訳)
ぼくはふたたび存在するようになったのだ。
(スティーヴン・バクスター『タイム・シップ』下・第六部・1、中原尚哉訳)
日常生活では、詩への無関心は人類のもっとも目立つ特徴の一つである。偉大な詩が人類の最大の業績だということを
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