教科書を食う虫、あるいは蝗を飼う/guest
 

玄関から一歩外に出ることさえなくても生きていけるようになってしまった現代で

自らにも流れている筈の血と礎を築いた力を思い出す、そんなことが果たしてどれだけの

人に出来るというのだろう、ほんの一握りだ、目を覚ます眠り姫とその王子も

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私達はこれを金に代えることを恥だと思っていやしないだろうか

私達は畑に襲来した蝗の群れの末裔ではないのだろうか

数限りない恥と間違いと傲慢で出来上がった、ガード下の酔っ払いじゃなかろうか

星を見上げることもロマンチック行動として今後セクハラになる社会で、忌むべき存在として

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ミカン箱の上に教科書を広げ
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