ことばの美はどこに隠れている/室町 礼
 
階建ての大きな
本屋があってそこへ行くと猛烈な速度で本を次から次へと読んでいき
ます。一冊棚から抜いて開いてほぼ十数秒でどの程度のものかわかる。
絵画的音楽的な面から──つまり文体の良し悪ししか見ないので十分
もしないうちに五十冊以上の本を吟味できます。二十分もあれば百冊
以上は読める。しかしその前にあきらめます。まだまだ時代はわたし
が求めているような文学を復活させる時代に入っていないと。
そして結局、好みに合う本がないので一冊も買わず帰ります。ジュンク
堂にしてみればいい迷惑です。でも買いたいのに買えない。
かつてはジュンク堂へ行けばせっかくだから必ず推理小説やスパイ、

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