ことばの美はどこに隠れている/室町 礼
 
のです。うまく溶け込んでいるな、自分のものに
しているなとは感心するのですが読めない。内容、思想、技巧がどれほ
どあろうと、どこかで読んだ例のあの文体だと思うと読めない。
文体に独自性がないと、わたしにしてみればその詩は「そのひとの詩」
ではなく「みんなの詩」なんです。そしてそういうものからは美を感じ
ないのです。これは悪い運命のもとに生まれてきた感性です。
現代のポストモダン思想と真っ向から対立しているからです。
天然自然に個性的に"脱臼"したことばならわたしは内容が悪くても一日中
でも読んでいられます。そういう文章なかなかお目にかかれないのですけ
どね。
[次のページ]
戻る   Point(3)