詩壇における「籠モル化」とは何か ― 閉鎖性がもたらす評価の固定化と新規性の排除 ―/atsuchan69
 
る。互いに評価し合うことが、実際的な励ましや承認の場として機能してしまうのだ。これは人間的には理解できる側面もある。しかし、その結果として詩そのものが停滞してしまうのでは、本末転倒と言わざるを得ない。

5. 解決のために必要な視点

「籠モル化」を打破するには、いくつかの方策が考えられる。第一に、外部への開放性を確保することだ。詩人同士の評価に閉じこもるのではなく、一般読者や異なるジャンルの作家との交流を積極的に持つ必要がある。第二に、批評の復権が不可欠だ。単なる相互承認ではなく、作品の強みや弱点を具体的に指摘し合う批評文化を育てることが、詩壇に新たな呼吸を与えるだろう。そして第三に、異
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