詩壇における「籠モル化」とは何か ― 閉鎖性がもたらす評価の固定化と新規性の排除 ―/atsuchan69
 
す問題は、決して一部の小さなグループに限定されない。それは詩壇全体の活力や多様性に深刻な影響を及ぼしている。以下、その問題点を整理してみよう。

1. 独自的な価値観の形成と固定化

外部からの批評や新鮮な視点が入りにくくなることで、内部でのみ通用する独自の美意識や評価基準が形成されてしまう。これにより、外部の読者や批評家からは理解されにくい「内輪の言語」が出来上がり、外に向けて開かれた詩作が育ちにくくなるのだ。たとえば、ある同人誌や詩誌の内部でのみ高く評価される作品が、広く一般に紹介されたときにはほとんど理解されないといった事態が起こり得る。これは詩そのものの可能性を狭めるばかりか、結果
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