図書館の掟。/田中宏輔
図書館長は
コピーのページをめくっていった。
作品には未来がある。
解釈はつねに変化するのだ。
図書館長は
またべつのメモのコピーに目をとめた。
読み手は作者を想像する。
作者は読み手を創造する。
これを逆にすると
ただ陳腐なだけだが
真実はどちらにあるのだろうか?
どちらにもあるのだろうか?
どちらにもないのだろうか?
読み手は作者を創造する。
作者は読み手を想像する。
もしかすると
こうかもしれない。
読み手は作者を創造する。
作
[次のページ]
戻る 編 削 Point(10)