言葉の魔術と感動『松本隆の赤いスイトピーにみる』/洗貝新
 
いる自分を想像し、実感として伝わってくるからである。

わたしは以前NHKホールで収録放送されていた、ジャニーズのメンバーによる少年倶楽部をよく観ていた。
もちろん世代間の差は海面と深海1万メートルほどの開きがある。
舞台に弾けるのはポップアップされたノリのある軽い曲とアクロバティックな激しいダンスばかりで、ターゲットはテイーンエイジの女の子たちに向けられているからだ。
いかにもスウイートフルで愉しめる番組だった。しかし、
なぜ普段から聴かない、若くて幼くて、興味も薄い、
そんな歌手たちの番組に夢中になっていたのだろうか。
確かにあのアクロバティックな踊りに70年代を思い起こされる
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