言葉の魔術と感動『松本隆の赤いスイトピーにみる』/洗貝新
て占められているのは安易に想像できるが、
彼女たちの目元からは、あの頃の眩しい光りが時をさかのぼり、一条のドラマに再現されて記憶から溢れ零れてくるのだ。
そこには同じ時代を生きた少女たちが確かに存在していた。
そういえばコロナ感染によって無観客となってしまった2020年の第71回紅白歌合戦は寂しく幕を終えたが、
茶の間で観る我々には、また違う感動に溢れ共有できたようにわたしには映った。
出場する歌手たちが歌い終わる度、頬を染めて惜しみない拍手を贈る司会者たちや
、出場した歌手たちのリスペクトする姿が画面に映し出されるとき
それをテレビという作られた枠の中でも観客のように眺めている
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