MEMBRANE「”境界溶解”―― 変容の螺旋」として12片/あらい
 
にあたらねえ、灯なんてほそぼそ路地裏へつづくみちへおぼつかねえ足取りでな。それは、誘蛾灯に惹きつけられては、パチンと、運悪く目が醒めるもんだ。


第四膜:境界の戯れ

 たのしおもしろや此のよンなかは、どこであろうと娯楽に縁、落ちぶれようと野花に富、思い込めば艶やかに狂っていける。まだ皮膚は反響せず、まなこは沈黙を抱いてゆれる。
 水風船は膨らんでいた。まあるく湛んで、おはじきみたいにころころと。忘れられた俯仰は濡れた域、おしゃぶりだけが残された交い。こもれび、閑散とした露面、アカトンボ。あおいみはまだあかちゃんのころ。いつかの確信が爪を立てた 「あるべき姿のひとつだと思います」

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