MEMBRANE「”境界溶解”―― 変容の螺旋」として12片/あらい
 
至る。花の見分けもつかないくせに、どうしてかハッとなる。振り向けばスクリーンは身震いするほど。散りばめた星星は足元にぽっかりと胸中を映し出す、めくるめくなんてウツケだ。
 湿気と砂埃を柄杓に入れ 濁りだけが残る。声なき声よ。御覧、濡れたカーテンが生乾きの潮を吹き返した 膚らを剥いてみれば、魂は喘ぎ 呼気が旅に。こめかみが赤くゆれる/咽頭に触る/くちぐせは花まかせだから。ちぎれた芯に火種の命が宿る。乾いた痣、うろこの跡、咽ぶ形が吐き出したものの

 暗く狭い部屋で煌々と明かりを絞って己だけを照らすものに縋るが酔い。ガラスのような不在、紙片のようなかすかな証拠。雲の彼方も知らねえ陽の光もろくにあ
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