MEMBRANE「”境界溶解”―― 変容の螺旋」として12片/あらい
ot;が乳白のような 情報は眠らない。しんくいろは生まれてすぐの乳飲み子の移り香と似ていたのかもしれない。触れたあと、告白、ふやけた指でささくれに似ている わたしが炭化した残滓で、苦しみを背負わされる皮肉とある
むしろ、明確な始まりも終わりもなく、濡れていること自体が証左となる。あまだれの滴りは、内と外を貫通するリズムだ。溢れさせておくこと、抱えきれない、やわらかい敗北こそが、最初の皮膜にはふさわしい
破裂するでもなく、断絶するでもなく。浮き上がらせる作業なのだ。境界は、滲み出し、濡れ、抱きしめるように変わってゆく。涙とは、かつて固かったものが溶ける拗音。記憶の水位をやさしくゆるがせて
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