MEMBRANE「”境界溶解”―― 変容の螺旋」として12片/あらい
にも知らないばかりの直線ではなく、応答のゆがみから生まれてくる。満ち欠けを真似ながら、つぎはぎのようにうたいながら衝動に身を案じ、凝縮して言い当てる。たぶん何度もやり直される月形の練習。言いようのない焦がれ、しづんできた。詰まり・覚悟ができた。
目が覚める。死ぬのではない。変わりつづける
死にきらず、変わるのではない。生まれつづける
世界とわたしのあいだに、まだ膜がある。それはもはや母胎ではない。それは、彫られつづける余白である。それらが積み重なって、いずれ壊れることを前提にした構造物ができあがる。
声は羊水に似た濁りで、膜を打っては戻る。花弁を伝うときに、わたしは指折り数
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