MEMBRANE「”境界溶解”―― 変容の螺旋」として12片/あらい
 
が喉元に宿す逆火のような。みずみずしいその名を呟いたとき。燃えながら濡れているという矛盾が、唯一の祈りとなった。
 熱の収められた時計の針の、奔る順序のように なぜねぐらは一滴.一滴,一滴「明後日の私」を立ち止まらせるのか。

 あれは手紙ではなく、折りたたまれた時間だったのかもしれない
 ハルシネーション。ハチドリが裏返る。あれは腹太い夢見鳥が杞憂

 ここでは視線が灰になって落りてゆく。誰でもなく誰よりも、誓い、遠さを抱えて。それら眼孔で露出する床に、置かれた紙袋 減ったとも増えたとも思われ、傾きをおぼえている 質量は発語のかわり、ひっかかる前の時間を撫で 拒絶でも親密でもなく
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