夏帰り/トビラ
 
なチャンスではないかな?」林さんは机に頬杖をついて、こっちを向いている。う、ドキドキしてくる。
 「あの、林さん」
 「ん?」
 「どこか行きたいところとかある?」うわずりそうになる声を抑えて言った。
 「私はねえ、小洒落たカフェに行きたいな」
 「こ、小洒落たカフェ?」そんなところ行ったこともない。
 「おおっと。これは部活にあけくれる男子高校生には、ハードルが高かったかな?」林さんは楽しそうにしている。く、どうする?
 「ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ。ここで悩める少年に救いの手をさしのべよう。君には、AIくんという無敵で万能な味方がいるじゃろう?」そう言って、林さんはいたずらっぽく笑う
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