秋はまだ訪れていない/山人
八月六日、ひさしぶりに雨が降り、午後は合羽を着た。気温もさほど高くなく、空調服は着ずに作業した。草刈り作業であったが、この雨降らずの天気で草丈は伸びず、土埃舞うぺんぺん草を刈り取るというレベルだった。国道から見える岩肌の山に張り付くように生えている灌木群は、ひたすら続いた高温と水不足で茶色に枯れている。灌木どころか道端のススキの穂ですらもまだ膨らんでいない。田を持つ所有者たちは水不足に不安を募らせ、大きな水タンクを汲み田に入れているようだ。焼け石に水だと、田を持つ同僚は言っていたが、こんな年は今までなかったのだろう。
今年の花愛で登山者は空梅雨で晴天が続き、思ったより入込が多かった。今年の大
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