〈根源悪〉の原体験/異邦の恐怖──生かされ在る際に/ひだかたけし
色い明るみの中
浮き上がるようにして 在る
日常当たり前にあったものが
今や剥き出し露骨な匿名性として
冷たい無機質な虚無の塊として
そこに在る
私が呆然として
その光景を
凝視していると
次第に
ソレラガ ウゴメキハジメル
)辺りにいつのまにか響いている
)ヴゥーという低いモーター音と共に
と 唐突
ソレラが
無数のザワメキとナッテ
一斉に立ち上がり
一気に私の中に
雪崩を打って
侵入して来る
このままではじぶんがじぶんでなくなってしまう
じぶんがかれらに奪ワレテシマウ!
私はもはや夢も現実も錯綜した混沌のなか
じぶんの名
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