〈根源悪〉の原体験/異邦の恐怖──生かされ在る際に/ひだかたけし
 
今この瞬間より
いつも今この瞬間から
己の抱え続ける因果の宿痾
自らの内なる畏怖すべき呪い
自ら闘い続けることを誓い
更に深く認め識らんと
此の世に己生かされ在る際に
再々度、対象化の俎上に上げる

  ▼△

薄暗い
漠然と広がった
空間のなか
台形の
ノッペリとした
大人の背丈半分程の
鉛色の工作機械が
等間隔で何台も
一列に並べられている

大きな金属音があちこちから
互いに呼応するよう
規則的に響き渡る

人影は全く見当たらない

三歳の私は
並んだ工作機械の一番奥隅で
両耳を手の平で強く塞ぎ
背をできる限り丸め
うずくまってい
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