憂愁の中で私は/積 緋露雪00
布団の上にだらりと投げ出された女体を眺めるやうに
私は只管私の外部と内部の両睨みで睥睨してゐたのであるが、
もはや疲労困憊の私には鬱勃と憂愁が私の何処からか湧き出し始め、
そんな憂愁の中で私は腐敗し始めたのかもしれなかった。
既に私の内部は崩壊を始めてゐて、
その死体が永きに亙って私の内部に横たはり、
何の事はない、
私は私の内部に目眩ましを喰らはされてゐたに過ぎぬのだ。
さうして永きに亙って死体としてしか
もはや存在してゐなかった私の内部は、
私の知らぬ間に腐乱を始め、
気が付けば腐臭が私の内部に充満してゐたのである。
それが芳しかった時期もあった筈なのだが、
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)