服を脱げば皆同じ/室町 礼
 

とか、制約とか無意識の抑圧とかをみつめて表現する
ことじゃないかと。
高橋源一郎の小説の表現がどうして胡散臭いかという
と詩なんかほんとうはちっともわかっていないくせに
吉本がいうようなマニュアルチックなお約束のことば
を書けば受けるだろうという計算があることです。た
だ、本人もそれがそうであることがわかっていて、だ
から一見、"ポップな"口調で誤魔化そうとしているの
ではなかろうかと邪推するのです。だって、
一枚一枚鎧を脱いで裸になるってことは「本当の自分」
に出会えってことでしょ? でも「本当の自分」なんて
一枚一枚脱いだらそれこそなくなってしまい
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