服を脱げば皆同じ/室町 礼
って本気に受け取って一生懸
命そういうふうな境地に至ろうとしても、う〜ん、
そんな境地には至れないし違うような気がするのです。
わたしの知人に何故か女性にモテる男がいまして、た
だそこに居るだけで片っ端からモテる。その男がいう
には「(女なんて)脱いだらみな同じ」だそうで、服
を着ているからそれぞれ違って見えるし個性的にも魅
力的にも見える。でも脱いだら一巻の終わり。どこに
もいるありきたりの女一般にしかみえない、という。
わたしもそう思うのです。つまり詩というのは「鎧と
か、冑とか、制約とか無意識の抑圧とか、そうした
もの」を脱ぎ捨てて裸になることじゃなく、鎧とか冑
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