メモ(日記)/はるな
きったねぇ街だな、と、ふるちゃんはこの街のことを言う。そのくせ60年近くもずっとここに住んで、花を活けている。(途中、阿佐ヶ谷だの芦屋だのニューヨークだのに行ったらしい、そのどこでも花を活けていたんだって言う)、汚い街だ、と確かにわたしも思う。道のそこら中に空いた容器(瓶、ペットボトル、缶、カップめんの容器、パンの袋、「大五郎」の4リットルのボトルまで)があって、右へ左へ移動しながら増えていく。
日差しのあたらない路地のビルの非常用階段には、昼前になると4,5人の若いひとたちの群れがやってきて、昼過ぎになると消えている。
このあいだは「りよなちゃん」のバースデーで、ゆりをこれでもかと使
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