蚯蚓/田中宏輔
 
いきなり強く握ったので、そいつはぐぐぐって持ち上がって、キンキンに膨らんだ。口らしきものから、カウパー腺液のように粘り気のある透明な液体が、つつつっと糸を
引きながら垂れ落ちた。気持ちよかった。ずいぶんと大きかった。そうだ。以前のチンポコは短小ぎみだった。おまけにそれは包茎だった。キンキンに勃起しても、皮が亀頭をすっぽりと包み込んでいた。無理にひっぺがそうとすれば、亀頭の襟元に引っかかって、それはもう、ものすっごい激痛が走ったんだから。もしかすると、この新しいチンポコの方がいいのかもしんない。そうだ。そうだとも。こっちのほうがいい。ぼくは制服に着替えはじめた。
 電車のなかは混んでて、ぼくは
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