蚯蚓/田中宏輔
朝、目が覚めたら、自分のあそこんところで、もぞもぞもぞもぞ動くものがあった。寝たまま、頭だけ起こして目をやると、タオルケットの下で、くねくねくねくね踊りまわるものがあった。まるであのシーツをかぶった西洋のオバケみたいだった。あわててタオルケットをめくると、パンツの横から、巨大な蚯蚓が、頭だか尻尾だか知らないけど、身をのけぞらしてのたくりまわっていた。とっさに右手で払いのけたら、ものすっごい激痛をあそこんところに感じた。起き上がって、パンツを一気にずり下ろしてみると、そこには、ついてるはずのぼくのチンポコじゃなくって、ぐねぐねぐねぐねのたくりまわっている巨大な蚯蚓がついていた。上に下に横に斜め
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