呪いの夜/ホロウ・シカエルボク
を掠め取るのが関の山さ、だからこそ何度も始めてしまうんじゃないか、おいそれとは届かないものだからこそ…俺はもうそういうものだって知ってる、だけど時々、ほんの少し近づいたと思える瞬間がある、真っ白になって、取り憑かれたように指を動かし続けることが出来る時間がある、それはただの気持ちの高揚であることも多々だけれど、間違いなくいつもとは違う何かに触れた、と感じることもある、その感触がいつまでも俺を煽り続ける、さあ、頭を真っさらにして始めろ、言葉を紡いで、脳味噌の最奥にあるものを引き摺り出して来いと…いいとも、と乗っかる時もあるし、拒否する時だってある、本当なら今夜は、どちらかと言えばそういう夜だったかも
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