道に吐いた唾が忘れられない模様を描き出すみたいに/ホロウ・シカエルボク
愛していて、身を呈して詩を書き続けると公言している連中が何人か居た、一番でかい声を出していたやつは今どこで何をしているのか、喋り続けてるやつから順番に居なくなった、今も書いているやつは数えるほどしか居ない、そんなもんだよ、自分の為に、黙って書いているやつほど生き残れるんだ、一人で生きて、一人で書くんだよ、孤独になれって言ってるんじゃない、書くときに一人きりになれないやつは駄目だっていう話なのさ、潜り込む度に形を変える鍾乳洞の様なものなんだ、誰かとつるむことを考えていたら遭難してしまう、竪穴や地下湖に落ち込んで、お終いになってしまう、たった一人で、感覚を研ぎ澄ませて、どこからでもどんなところにも移動
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