道に吐いた唾が忘れられない模様を描き出すみたいに/ホロウ・シカエルボク
 
ているだけでいい、技術で文章を書くなんて馬鹿のすることさ、少なくとも、それが自己表現というジャンルならね、どんな本を読んだかとか、どこそこの文学部を出てるとか、そんなものなんの役にも立ちはしない、自分自身の中にどんなものが眠っているのか、どんなものが目を覚まそうとしているのか、どんなものが出てこようとしているのか、それだけがすべてさ、一度書いたら終わるやつも居るかもしれない、一年で終わるやつも居るかもしれない、凄いものをひとつ書いたとしても、続けられないのなら意味が無い、それは水溜りであって、流れにはならない、もう二十年以上前の話になるけれど、俺の周辺には如何に詩に捕らわれていて、どれだけ詩を愛し
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