道に吐いた唾が忘れられない模様を描き出すみたいに/ホロウ・シカエルボク
ない、そういうのは大抵の場合観察の邪魔になる、そこから何かを得ようなんて思ってはいけない、あくまでも現象のままで記憶しておく、するとある瞬間に、主にこうやって書いているときにってことだけど、ああ、あれはひとつの詩だったのだと理解出来る、そうしてそれは書きつけられる、闇雲にイメージが投げつけられて、ペンキ入りの風船が破裂するみたいに白い画面は塗り潰されていく、俺はそれについてほとんどどんな感想も持たないし、どんな私情も挟まない、勝手に出てくるものを出しっぱなしにするだけだ、バルブを全開にして、成り行きを見ているだけさ、それだけでいい、あとはなるべく多くのものを書き切れるように、指先を忙しく動かしてい
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