JAPANESE POP/おまる
 
へ奥へと引き込んでいくその才能がド炸裂している。

氾濫するポップソングの地平で、
音楽そのものとしての歌、
すなわち素朴で、陽気で、優しく、荒々しい歌を歌うこと。
それを何より独りよがりではなく、
ポップな地平で成立せしめることはいまだに可能なのか?
この困難かつ崇高な問いを手放さずに、
一身に担っているようにさえ思える。
安藤さんは、雄雄しいのである。

『JAPANESE POP』には、それまでの作品との切断もある。
「マミーオーケストラ」から
「New World」、「Dreams in the dark」、
「アネモネ」の流れに顕著であるが、
分厚い音の壁の
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