JAPANESE POP/おまる
壁のような管弦楽のアレンジがそれである。
この変化は、
どこかビートルズの中期から後期にさしかかったあたりの変化を想起させる。
また、「健忘症」にはこれまでにない、
重くジャジーな感覚が突如現れたりする。
ホワイトもブラックもイエローも混じっている。
このクロスオーバーなセンスは、
それまで安藤作品には聴かれなかった新しい境地であった。
ミュージシャンやアーティストや芸能人よりも、
インフルエンサーの方が人気者になってしまい、
J-POP/オルタナティブという対立図式すら霧散した今日において、
安藤裕子は日本のポップ史の財産を放蕩する形で対応していたのだろう。
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