麻薬/鏡文志
 
から受け取った麻薬を作り出したいと思う。
詩ではこうだ。中原中也を読んで格好いいと思った。文体に惹かれた。知的な匂いや鋭さを感じた。その詩から受け取った人を陶酔させる力を持つ麻薬を自分でも作り出したいために、詩を書く。
立川談志の落語を聞いて、ビートたけしの漫談を聞いて、人を陶酔させる麻薬を自分でも生み出したいので漫談や演芸作品を作る。
これはみんな意識しないでやっていることのはずだ。美味しい料理を食べて夢中になった。自分でも同じ夢中になれる料理を作りたい。これが無い人がいるとは思えないが、諦める人は諦める。やりたいことはみんな麻薬作りなんだ。
テキストと一対一になる。それでいいと思った。
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