それは静かにゆっくりと燃え上がり、また、しばらくは燃え尽きることが無い/ホロウ・シカエルボク
が続いた、頭の狂った人間が書いた絵画の様な色使いだった、探すことに夢中になっていなければその色味の中で俺自身の木が狂っていたかもしれない、空の色はまるで変わらなかった、それが余計に絵画的な印象を強くしていた、こんな絵を飾っている美術館がもしあったら、俺は絶対に立ち寄らないだろうな、そう思うと無性に可笑しくなって少しの間ひとりで笑っていた、徹底された世界はどこか滑稽な感じがするものなのかもしれない、でもそういうのを芸術と呼んで、小難しい顔で眺めている人間だってたくさん居るのだ、つまらない考えを早々に止めて、何か探しの続きに入った、といっても、どれだけ経っても世界は変わらなかったし、手掛かりのようなも
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