LAUGHING CHICKENS IN THE TAXI CAB。/田中宏輔
付き合っただけだが、ここ一年くらい、電話で話すようになった。いま付き合ってる相手が、京都だというのだ。卒業すると、タカヒロは東京の会社に就職した。ぼくのところに寄ったのは、ついでだった。コーヒーを淹れたあと、養分になると思って、その豆の滓を鉢の中に捨てた。二日もすると、白い黴が生えた。何度捨てても、同じ白い黴が生えた。
このバスでいいのだろうか?
(ナボコフ『キング、クィーンそしてジャック』出淵 博訳)
あゝ、いゝとも。
(モリエール『人間嫌い』第一幕・第一場、内藤 濯訳)
お前も来るかい?
(ジュネ『
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