LAUGHING CHICKENS IN THE TAXI CAB。/田中宏輔
アの『空騒ぎ』第二幕・第一場に、「地獄へ猿をひいて行かなくてはならないのだ」(福田恆存訳)とある。「陽の埋葬」で、ぼくは、それを逆にした。猿が、ぼくを引くのだ。
そうすれば、
(ジュネ『ブレストの乱暴者』澁澤龍彦訳)
ぼくのハンカチが
(ギュンター・グラス『ブリキの太鼓』第III部、高木研一訳)
出て来るかと思って。
(シュペルヴィエル『ロートレアモンに』堀口大學訳、句点加筆)
タカヒロがポインセチアを買ってきてくれた。昨年のクリスマスの晩のことだ。別れてから、八年になる。タカヒロが大学一年のときに、ふた月ほど付き
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