LAUGHING CHICKENS IN THE TAXI CAB。/田中宏輔
 
いやと思って、日本に帰って抜くことにしたのだという。保険に入ってなかったからだろう。それにしても、驚いた。ぼくの方も、二日後に親知らずを抜くことになってたから。ぼくの場合は、虫歯じゃなくて、いずれ隣の歯を悪くするだろうからってのが理由だったけれど。ノブユキの声を聞くのは、二年ぶりだった。


だが、それはもう
                 (サルトル『壁』伊吹武彦訳、読点加筆)
ここには
             (マリー・ノエル『哀れな女のうた』田口啓子訳)
ないのだ。
         (T・S・エリオット『寺院の殺人』第一部、福田恆存訳)

本って、やっぱり出合いなん
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