聞こえない風の音が、永遠に鳴り続けてて/由比良 倖
んな、捨てて捨てて捨てて、私は、忘れてはならないことだけを心に生きていくべきだ、それ以外は何も見ちゃ駄目だ、って、ね、そこまでいくとノイローゼみたいで、自分でもおかしいと思うんだけれど、理由がないわけじゃないの。私は、本当はゲームをすればいいのかもしれない。ゲームは純粋だから。それでも、ゲームをしていて、楽しい瞬間、『これでいいのか?』なんて考えちゃうことが多くて、でも、ゲームの場合は、『うん、確かにこれでいい。ゲームはとても楽しくて、楽しくて、楽しいだけで、それでいい』とちゃんと思える。何だか、ゲームばかりしてるひと、暁世もそうね、って、何だかとても正直なひとに思える。正直で、……うん、やっぱり
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