聞こえない風の音が、永遠に鳴り続けてて/由比良 倖
 
心が感応して興奮するわけだけれど、自分で書いた言葉に自分で興奮するのは、どういう訳なんだろう?
 もし、脳内麻薬を自力で分泌出来るのなら、寝転がってても勝手に楽しくなれればいいのに。
 つまり、多分、私の寝転び方はまだ、瞑想の段階に至っていないということなのだろう。創作とは瞑想の周辺を彷徨い歩くことなのだと感じることがある。そして、創作の最終段階とは、創作の否定である、とも。
 私は私であることを捨てられない。私は死にたいし、もしくは三千歳まで生きたい。何故と言って、私は与えられた私を忌み嫌うし、私をぎりぎりまで否定したい。そしてまた、私は、優しい時間を信じてる。優しい時間の為に、私は三十歳
[次のページ]
戻る   Point(2)