聞こえない風の音が、永遠に鳴り続けてて/由比良 倖
のときもある、なんてこと、頼むから言わないでね。そして、それを知るには、あなたはあなたから離別しなければならない。あなたはあなた自身を失わなくてはならない。だからあなたは孤独を知ることは出来ない。もっと正確に言うと、孤独とは知るものではなく、ただ在るものなの。あなたが正しく孤独であるとき、あなたはただ孤独と共にあるのよ。
……暁世は多分、じゃあ何ゆえに、私が孤独について、その恐怖について語ることが出来るのか、ってきっと思ったでしょうけど、それは、実際私が馬鹿正直に生きたことがあったからなの。あなたくらいの頃に。暁世以上に哲学だとか何かにかぶれちゃって、哲学書や何かを山ほど買ってね、結局全部言葉
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