聞こえない風の音が、永遠に鳴り続けてて/由比良 倖
 
言葉じゃないかって思ってね、全部焚いたわよ。って、言いたいけど、まだ倉庫に全部残ってる。すごい書き込みしてるから、暁世の為にもなるよ、きっと。つまり、まあ、私の考えには生まれつき一貫性があるから……、私の主張に、じゃなくてね、……私という人間が、或いは私の影が、倉庫の中には眠ってるから、興味あったら読んでみれば、暁世の夢物語には面白いかも知れない。
 私のDNAはこの世界では変質的なの、特権的な意識を全く抜きにして。ある部分では私と暁世のDNAは100パーセント同一なのよ。全てが暁世と同じだったらよかったけどね。……ああ、ねえ、この私の口癖みたいな詩的、うーん、ポエムな言い種だけを覚えていたりし
[次のページ]
戻る   Point(2)