聞こえない風の音が、永遠に鳴り続けてて/由比良 倖
同じことでもあるのよ。ここで分かって欲しいのは、孤独とは、孤独になろうとしてなれるものじゃないの。それは、自分が孤独であることを認めることなの。完璧に、完全に。
少しだって自分を保障してくれる何かなんて、そんなものは、何ひとつないんだって認めること。簡単みたいだし、馬鹿げてるみたいに聞こえるかもしれないけど。……誰かに分かってもらおうとすること、そのためなら人間は、信じられないようなひどいこと、人殺しだってする。誰だって、自分の孤独をひとりで抱えて生きることは、殆ど不可能に近い。
……でも、話がずれたわ。そう、私が言いたいのは、そう言う種類の感傷的な(感傷的と言う言葉を悪い意味で使うつもり
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