聞こえない風の音が、永遠に鳴り続けてて/由比良 倖
 
の『善意』とやらを示す一番の方法なのではないのか? 君の現状、君が行っている怠惰な暮らしこそ罪悪だとは言えないか? 君の言う優しさとは何だ? 親の金で煙草を吸って、終日ごろごろして、食事だけはきちんと摂ることが、君の言う善意なのか? 君の言う、君の心の声とやらは、つまりは全部、ただ君にとって都合のいい、曖昧な逃げ口上に過ぎないのじゃないか?』とね……もちろん、こんな言い方も、型どおりの考え方も、暁世はしない……、それに対して、私は、私の中に論理立てて言葉に出来るような反論があるんだとは思ってないの。でも私は、別に、自分に対してだけ甘い世界観を打ち立ててはいない。……楽をしたいわけじゃないの。……け
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