夢の話/はるな
面に移ります)。
本堂で正午にはじまる勤行を聞き流し、一束千円の線香に火をつけてもらって階段を降りると、ぎちぎちと並んだ墓石の中に見慣れた名を探す。むかしここには猫がすんでいた。たぶん家族だろう、キジトラと黒いのといた。からからに枯れた仏花を替えようと手を伸ばすと、線香立てに引きずり込まれてしまう。でもいいのだ、結局花は…と思いながら、細長くなり、頭の片隅で火をつけたままの線香を案じている。本堂が焼けてしまったらどうしよう、と猫たちに聞くけど、みんなあっちに行ってしまった。
次の場面に移ります。寂しさで書いた詩があちこちでまた腐り始めて、間違いに気づきます。魚のかたちのキーホルダーがき
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)