氷河の朝/ホロウ・シカエルボク
 
皿に乗せ、レタスを添え、ケチャップをぶっかけて食べる、いつも食事をするときには隣で喋り続けている女が居た、それが居ないくなると話し相手は今日なら目玉焼きになる、どうだい旦那、いい半熟だろう、なあ、それは確かにお前の存在に寄るところが大きいのは確かだけれど、俺の技術だって十分に必要なんだぜ、なんて、俺は首を傾げ、シンクに食器を戻しさっと洗って伏せておく、水滴がシンクに落ちる音が目覚ましのアラームのように響く、部屋が静かなせいなのはもちろんだけど、俺の中がいつになく空っぽなのも関係しているのかもしれない、歯を磨いてサローヤンを読む、思えばそんな風に落ち着いて読書をしたのは数年ぶりのような気がする、それ
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