走馬灯/秋葉竹
 
産み出されてすぐに孤りになり
むろん孤りで生きてゆき
死ぬときも孤り、死んでゆく。
爽やかな
風がやさしく頬を撫で
孤りで暮らす日を慰める


それが青春と云えばすこし映画みたいな
だなんてそんな綺麗なものじゃなく
急に友だちから恋人に変わったのは
あの一瞬。
はじめての
黄昏公園消えそうな
寂しさだけを理由にキスされ。


悪ぶってたそれが強いと間違えて。
けれども心はすこし落ち着いてくれた。
それならそんな間違いに
堕ちる心を委ねてみてもよいと想った。
悪役が
消えてくれないただの役
なのに心が染まる闇空。


あの頃みたいに痩せ狼になりたい
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