走馬灯/秋葉竹
この水はただの水だが
じぶんではけっして汲めない
天の与えてくれたらしい
冷え切った、甘露。
この水を
早朝飲み干し目を覚まし
新しい日のはじまりとする。
ホントはさ
理由なんていらないんだけどね、
あまりに君の視線かまっすぐすぎて
まっすぐすぎて。
まっすぐな
視線にすこし照れながら
目を逸らしそうだから、
軽くキスする
運命の町ってわけでもないけど
いつもは忘れていても
折につけ想い出す
住んでいたのは一年ほどだったかな。
若かった
ふたりは宇治のマンションで
ふたりの暮らしをはじめた夏空
いつのまにかに
ひとは産み
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