散歩うた/足立らどみ
 
まれ、読者に想像・共感のスペースが提供されている。
? 深い問い・アイロニーを含む構成: 一見素朴な物語の底に哲学的な問いやアイロニーが潜んでいる点も類似する。『夕焼け』では、優しい娘が繰り返し席を譲る中で「可哀想に。娘はうつむいて…美しい夕焼けも見ないで」と詩が閉じられ、平凡な日常に人の優しさとその裏側にある時代の哀しみを重ね合わせる 。『コカコーラ・レッスン』では、些細な出来事(突堤で波を受ける)をきっかけに「〈海〉という言葉と〈ぼく〉という言葉」が融合する奇跡的体験が描かれ、実体と名前の関係を根源的に問い直す 。特に「海は海だってことか」「ぼくはぼくだ。ぼくはいるんだ、ここに」という独
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