四月終わりのメモ/由比良 倖
瞬の内に永遠を感じるくらい、時間感覚を超えて無心になること。音楽を聴いたり、本を読むことの幸せ。書くことの快感。大好きな人のことを、自分勝手に遠くから祈ること。ひとりぼっちで泣いている、もしくは泣けないくらい苦しんでいる、今この瞬間の数十億の人たち。世界中の人たちの渇望と、会話と、喧嘩と呪いと、寿ぎの声。ギターの存在と音、そしてイラストレーターたちが描く世界の、光の束が脳の一番奥を突き通すくらいの可愛さ。大好きなアニメ。……そしてそれらを好きであれるということ。
運命は自分では決められない。でも、視点を決めることは出来る。それくらいの自由度はあってもいい。実際のところ、僕は幸福でも不幸でもない
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