四月終わりのメモ/由比良 倖
 
僕は社会なんて嫌いだ。人と人とが本当の意味で付き合えるのって幼稚園までじゃないかと思う。
 社会の中での自分の立場を認識すること、行き過ぎない程度に自己を表現すること。めんどうくさい。「自分は宇宙だ」と言ってたら敬遠されるから、憂鬱ではあっても部屋の中で自己表現する。言葉は誰でも使える。言葉で表現できる。パソコンがあればいくらでも書くことが出来るし、率直に内面を吐露することだって出来る。

 無理に笑い続ける一日ほど、僕から生命力を奪うものは無い。だから、笑うから楽しいというのは嘘だ。最高に楽しいときには、僕は笑わない。呼吸だって浅い。身体なんて忘れてる。自分の世界で真剣に遊ぶとき、世界の全
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