四月終わりのメモ/由比良 倖
でストレートに僕は銀河と繋がっている。全ての街は繋がっている。
銀河の中心にはブラックホールがあるらしい。僕たちが住む天の川銀河の中枢にあるブラックホールは、全宇宙の中ではかなり小さめなのらしい。ローカルな宇宙都市。田舎の中の田舎の地球。そこでうごめく僕の憂鬱。僕は宇宙よりずっと広いのだろう。この一瞬も無限に、永遠に。都市があり、光に満ちた楽園がある。僕の内面で、松果体で、言語野で、シナプスたちがきらきら光る。電気に満ちた脳と、深海に満ちた無数の細胞たち。
知識は僕をどんどん膨張させていく。僕が世界からはみ出るくらいに。植物の名前、学名。英語の医療用語。世界史と宇宙史に興味がある。
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